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性感染症とHIV感染率には関係があるって本当?

2020年01月03日

性感染症とHIV感染率には、関係があります。
それも非常に密接な関係です。
性感染症にはさまざまな種類があり、性感染症の種類によってHIV感染確率に及ぼす影響も違ってきます。
梅毒に感染していると、HIVへの感染確率は2倍以上になり、性器クラミジアや淋菌に感染している場合の、HIVへの感染確率は2倍から10倍にもなるようです。
性器ヘルペスや尖圭コンジローマに感染している場合は、男性なら10倍から50倍に、女性なら50倍から300倍になるとされます。

性感染症にかかると、粘膜に炎症が生じがちになるものです。
炎症が起こって皮膚のバリア機能が失われていくと、そのただれたり傷がついたりしている部分から、ウイルスが侵入しやすくなります。
HIV感染率は無防備な場合で0.1%から1%とされ、性感染症の中で非常に低いほうです。
しかし、性感染症で性器の粘膜が炎症を起こしていたら、HIVへの感染確率は相当に高まってしまいます。
性感染症は短期間で完治するものが多いですから、しっかりと治療しておくことが大事です。

日本で最も感染者の多い性感染症である性器クラミジアの感染確率は50%以上です。
しかし、感染していても男性の5割、女性の場合は5割から8割が無症状であるため、放置されがちになります。
しかし放置して悪化すると完治するまでの期間が長引きますし、その後性器に炎症が起きた場合は、HIVに感染する確率が大幅に上がってしまいます。

HIVと性感染症には重複感染が多く、男性間性交者の場合はHIV感染者の6割がクラミジアに、6割以上が梅毒にかかっているとのデータもあるようです。
このように、性感染症とHIV感染率には高い相関関係があることが知られています。
もともと0.1%から1%しかないHIVへの感染確率が、50倍から300倍になったらどうなるかということを考え、感染の可能性がある場合は、性病検査をその都度おこなっておくことが望まれます。

性感染症を放っておくとどうなる?

性感染症を放っておいても、自然治癒することはありません。
しかしほとんどの性感染症は、治療すれば短期間で完治します。
一方HIV感染症は完治できない疾病であるばかりでなく、現在でも放置すれば死に至る病であるのは変わっていませんから、放置は厳禁です。

HIVに感染しても、ウイルスの増殖を抑えることができれば、エイズを発症することはありません。
ウイルスの増殖を抑える特効薬である抗HIV薬は既に開発されており、もはやHIVに感染しても、死に至る心配はなくなっています。
抗HIV薬を生涯飲み続ければ、エイズを発症することなく普通に暮らして天寿をまっとうすることができるようになりました。

一方HIVの毒性は強まっており、潜伏期間が短くなっていることが指摘されています。
エイズが世に知られるようになった約30年前は、潜伏期間が十数年であることが多かったですが、現在はHIVに感染してからエイズを発症するまでの期間が2年である例も出てきています。
エイズ発症の判断基準は、23種の指標疾患への罹患の有無です。
23種の指標疾患に罹患したことで、初めてHIV感染に気づくという例も増えていますから、要注意です。

エイズを発症しても、その後に適切な治療をすれば、多くの場合10年から40年は生存できるようになっています。
しかし免疫力が極限まで失われてエイズになる前に、抗HIV薬を使って免疫細胞の破壊を食い止め続けるほうが望ましいのは言うまでもありません。
もはやHIV感染症は、慢性疾患のひとつという位置づけとなっています。
感染はしていても免疫力さえ衰えさせずにおければ、普通に暮らして寿命まで生きられるようになっているからです。